オスカーなんて 2

前回、Furious7がアカデミー賞にひとつもノミネートされなかったのは、今年は良作が豊富で、残念ながら賞レースに入る余地がなかったんだろう、と書きました。でも、世の中そういうふうに割り切れない人も当然いるようで、特に男優・女優部門はノミネートが2年続けて白人ばっかりだ!と、アメリカではちょっとした騒ぎになっているようです。ジョージ・クルーニーダスティン・ホフマンまでが、偏った選出だと異議を唱えている、とニュースになっていました。

アカデミー賞はその会員一人ひとりの個人の好みの結果で、世間での知名度の割には内輪の賞のようです。「個人的な意見であり、映画の良し悪しを表すものではありません」みたいな、通販番組の注意書きのような気持ちで納得するしかないのでは…と、基本的にはそう考えています。

でも、今年はさすがに少し納得ができませんでした。以前にも書きましたが、作品賞などの主要部門は無理だろうなと思っていたFurious7のですが、主題歌賞はノミネートくらいされても良かったのではと思います。Youtubeで『2015年世界でもっとも注目されたミュージックビデオランキング』の首位に輝き…いやいや、ゴールデン・グローブ賞にも、何といってもグラミー賞の年間最優秀楽曲賞にもノミネートされているのに。

私は、Furious7のラストシーンだけは、何らかの賞に値すると思っています。別れの悲しみを越えて、むしろ新しい旅立ちを祝福するようなあのエンディングは、視覚的にもとても印象的で「観客のみんなに、悲しみにくれて映画館を後にしてほしくなかった」という制作陣の気持ちが、本当によく表れていると思います。

そんなエンディング・シーンの象徴のような『See You Again』だからこそ、アカデミー賞にはノミネートされて欲しかったですね。

追記:

この文章を書くきっかけになった記事のことについて、触れるのを忘れていました。インタビュアーの質問に、やっぱり『See You Again』がアカデミー賞にノミネートもされなかったって、おかしいよね?と思ったのでした。

Wiz Khalifa Talks Oscar Snub, 'Fast & Furious' Sequel & Racism at Sundance 2016 | Billboard