ポールがいてくれたら。

長らく書き込んでいなかった間にもFast&Furious 8の撮影は進み、アイスランドでの撮影中に馬が亡くなったとか、クリーブランドで立体駐車場から車が飛び出すシーンを撮ってたとか、アメリカの国交回復以来、キューバでの本格的な映画撮影一番乗りになったとか…。とてもグローバルで派手な作品になりそうな、公開までの気持ちを盛り上げるようなニュースが発信されていました。ところが、ここにきてドウェイン・ジョンソンが共演男優を激しい口調で非難するというゴシップが発生。しかも、本人は名前を伏せてはいますが、相手はヴィン・ディーゼルでは?とのことではないですか。「ファミリー」を謳うFast&Furiousシリーズにとって大打撃なのではないでしょうか。

撮影中に(というより公開前に)共演者に対するネガティブな心情をソーシャルメディアで吐露するなんて、正直それはないでしょう、という感じですが、ドウェイン・ジョンソンってとても情に厚い人のようだったので、余程腹に据えかねることがあったんでしょうね。
 
このゴシップを伝えているメディアのひとつは、「もし、ポール・ウォーカーが仲裁していたらどうなってたか」というようなことを言っていますが、前作まではこんなことがなかっただけに、そう考えてしまいますよね。どこかのインタビューで、撮影中にすべてがうまくいくように気を配るのが自分の役目だ、というよりようなことをポール自身も言っていました。案外、仕方ないからやめよう、バサッと切ってしまってたかもしれませんが。
 
それにしても、何やら次回作への期待に水を差された気持ちにはなってしまったので、ジャスティン・リン監督のポールの思い出話を読んで、自分を慰めることにします。
Fast&Furious 6の、あのバックヤードでのラストシーンの撮影の時の話です。
 
As we ran out of light on the last shot, I threw my headphones down in frustration and walked off to collect myself. I was beyond spent. Next thing I knew, there were two arms hugging me. It was Paul. He said, “Thank you” and walked off. That was the last moment I had with Paul on set, and it’s what Paul was all about.
 
ラストの撮影というのに太陽が傾いてきて、私はイライラして投げ捨てたヘッドフォンを自分で拾おうと、その場を離れた。疲れきっていたんだ。気がつくと、二本の腕が私をハグしていた。ポールだった。彼は「ありがとう」と言って、立ち去った。それが私とポールの現場での最後の瞬間で、ポールというのはそういうヤツだった。
 
 
やっぱり、ポールだったら割って入っていてくれたかも。