「ワイルド・スピード」が失ったもの

ワイルド・スピード」次回作のプロジェクトが難航している、とニュースになっています。2017年の公開を宣言したものの、監督がいまだに決まっていないということらしいです。

 

ワン監督が「ワイルド・スピード」の8作目を断った理由として、「Hollywood Reporter」は、もともと決まっていた「死霊館」の続編とスケジュールがかぶるということを一番の理由としながらも、2年に及ぶ「スカイミッション」の制作で監督が体調を崩したから、ポール・ウォーカーの事故がトラウマになったから、はたまたヴィン・ディーゼルが細かく口を出すのがやりにくかったから、というようなことも原因か?というように記事は書かれています。

'Furious 8' Stuck at the Starting Line: Universal's Director Dilemma - Hollywood Reporter

 

スカイミッション」の上映に立ち会うとき、エンドクレジット前につらくて必ず席を立ってしまうというジェームズ・ワン監督。「人生を変えるような」金額を積まれても、「ワイルド・スピード」の8作目を断ったということですから、まあ「Hollywood Reporter」のいう、ワン監督が断った原因の内容は少しずつ本当なんでしょう。とにかくジェームズ・ワンの次回作監督の可能性はなくなったんですね。残念です。

ジャスティン・リンが7作目を監督しないということで、出演をかなり迷っていたポールが一転して積極的に関わっていこうと決心したのは、電話で話したときに,

ジェームズ・ワン監督が本当にいいヤツだと感じたのがきっかけだったというようなことを度々インタビューで語っています。

collider.com

 I’m really, really impressed with James, as a person.

ジェームズには、本当に、本当にひとりの人間として感動させられるよ。

 

 I like his angle and composition, and the way he looks at things.  He’s a talented guy.  We’ll see what happens.  He deserves a victory, I’ll tell you that. 

彼の、ものの見方やとらえかたが好きなんだ。才能があるヤツだよ。
まあ見ててよ。彼は勝利にふさわしい。保証する。
 
そして、こうも言っています。
 
I couldn’t do what he’s doing right now.  I’ve been around it a long time, and I couldn’t do it.  I police personalities and make sure things are harmonies.  That’s what I do.  I just want there to be good energy, all the time, and I think that works well with a director like James.
 
彼が今やっていることは、オレにはできない。(ワイルド・スピードのシリーズを)長くやってるけど、オレにはできないね。みんなの人となりをみながら、物事がうまくいくようにする。それが、オレのしていることなんだ。いつもいい雰囲気であってほしい、それだけだけなんだけど、ジェームズのようなディレクターにはそれがうまく作用していると思う。
 
オリジナルの主人公でありながら、スタジオの政治的な問題に振り回されて一度は作品を離れ、ガラリと変わったシリーズにまた戻ってきた。そんな関わりかたの中で、自分なりの役割を設定し、実行してきたポール・ウォーカー
出演を渋っていた俳優の心を動かし、逆に作品の出来上がりを楽しみにさせてしまう、
そんな人柄と情熱と、才能のあるジェームズ・ワン監督。
 
ワイルド・スピード」が失ってしまったものは、本当に大きかったなと思ってしまうのです。