ポール・ウォーカー@『テイカーズ』

ワイルド・スピード』以外のポール・の出演作のなかで、映画としての掘り出しものは『ワイルド・バレット』と『ハリケーン・アワー』でしたが、ポールかっこいい!という意味での掘り出しものは『テイカーズ』です。
 
髪をストイックに短く刈り込んでいることの多いポールですが、この時は少し伸ばしたブロンドが黒いスーツに映える!意図して封印してきたようなところのある、隙のない男前な役どころが、スタイリッシュな作品の作りにマッチして本当にかっこいい。現金輸送車強奪のシーンで、ライフルを構えて狙いを定め、片目を閉じるポールのアップがあまりに素敵で、心拍数が上がりました(笑)。引き締まった表情のなかの青い目が、本当に高価な石のようなんですよね。
 
 この映画は、アメリカでは興行成績1位を獲得したそうですが、日本ではどうだったのでしょう。ポール・ウォーカーマット・ディロン、あとクリス・ブラウン以外はあまり知られていない俳優が多いので、それほど話題にならなかったのではと思います。当のアメリカでも、批評家たちにはあまり評価されていないようですね。
まあ確かに、何かを深く追及しているような内容でもないし、脚本家(監督だったかな?)も、若いキャラクターバージョンの『ヒート』を作りたかったから、と言っているくらいですから、物語に特に目新しさがあるというわけでもないかもしれません。
それでも、私は個人的に結構楽しめました。仮に私がポール・ウォーカーのファンではなかったとしても、それなりに面白くみれたと思います。まあ、もしかするとこれでポールのファンになっていたかもしれませんが。
 
完成度の高い緻密な強盗を繰り返している犯罪集団と、何とかそのグループにたどり着こうとする警官の物語。ありがちな犯罪映画のようですが、実は警官vs犯罪者の対決がメイン・イベントではないこの作品。仲間をほとんど失っても「予定通り」と気だるそうに言うリーダー、結局何も手にできない警官、ファーストカットに回帰するかのようなラストカット。こんなものなのさ、という感じの少し醒めた雰囲気が漂う作品だったのが意外でした。
 
さてポール・ウォーカーは、どんな考えで、この映画に出演したのでしょうか。『テイカーズ』についてのポールのインタビューについては、次回!